谷田メソッド
〜身体を「正しく動かす」ための原理〜

人の身体は、筋肉が腱を介して骨に付着し、神経の指令によって動きます。
しかし、この動作を単純に「筋肉を動かす」と捉えるのは正確ではありません。
実際には、脳(中枢神経)からの情報がダウンロードされ、筋膜・筋肉・骨へと順に伝わることで、私たちは“正しい動き”を再現できるのです。
筋肉はサイズの小さいインナーマッスル(深層筋)から順に大きいアウターマッスル(表層筋)へ神経の伝達が起こります。
つまり、大筋群だけを鍛えるトレーニングでは、本来のパフォーマンスは引き出せない可能性が高いのです。
ここで問題になるのが、「代償動作(トリックモーション) 」です。
これは、本来“主役”として動くべき筋肉がうまく使えず、“脇役”の筋肉が代わりに動くことで起こる現象です。
この誤った神経—筋の学習が続くと、動作の効率が落ち、怪我の原因となり、パフォーマンスも低下します。
谷田メソッドでは、この代償動作をリセットし、正しい筋活動の学習を促すことを目的としています。
この「神経から筋肉・骨への連動を整える」ことこそ、谷田メソッドの核心にあります。
運動生理学(Exercise physiology)・機能解剖学(Functional Anatomy)・生体力学(Biomechanics)に基づいた唯一無二の理論です。
運動生理学
機能解剖学
生体力学

谷田メソッドでは、連動性(インターロッキング)と循環性(サイクル)を用いたトレーニングおよびエクササイズを提供します。

①連動性 〜身体を「正しくつなぐ」

骨格系は骨・靭帯・軟骨から構成され、筋肉は腱を介して骨に付着します。
筋肉の周囲には神経が張り巡らされ、神経が筋肉に信号を送ることで収縮が起こり、骨を介して関節が動き、姿勢や運動が生まれます。
これが、身体の基本的な「連動性」です。
日常生活の癖や姿勢の乱れによって、この連動は容易に歪みます。
そして、歪んだ連動が続くと、誤った代償動作が学習され、正しい動作パターンが消えてしまうのです。
谷田メソッドでは、これを定期的に補正し、本来の動作連動を再構築することを目的としています。
関節の動き(屈曲・伸展・内外転・内外旋など)はすべて対をなし、可動域(ROM)を高めることはしなやかな動作と怪我の予防、パフォーマンスの向上につながります。
谷田メソッドの「連動性」は、これらの自然な関節運動と筋連動を再教育し、動作効率を最大化するプログラムです。

②循環性 〜身体を「動かし続ける」

人間が自らの意志で働かせることのできる唯一の器官系が「運動器」です。
運動器(筋肉・骨・靭帯など)は、私たちが生きる上での表現手段であり、人間らしさそのものを形づくります。
筋活動は、脳を含む中枢神経系 → 運動器 → 体性反射システム → 中枢神経系という循環経路によって維持されています。
しかし、現代の便利な生活環境ではこの循環が低下し、運動器の機能不全 (筋力低下・関節変形・骨粗鬆症など)を引き起こします。
谷田メソッドでは、筋繊維タイプに合わせたエネルギーシステムに基づき、運動強度と時間を設計しながら、筋・骨・靭帯の衰えを防ぎ、この神経—筋—骨の循環ループを再構築します。
これにより、心肺機能の向上、脂質代謝の改善、慢性疲労の軽減、姿勢の安定といった効果が得られ、結果として「身体が本来もつ自己修復力(ホメオスタシス)」を活性化させるのです。

③無意識の開発 〜身体を「自動で動かす」

歩く、寝返りを打つ、ボールを捕る——これらの動作は、考える前に身体が反応しています。
これは、中枢神経の意識的な指令を介さず、末梢神経や反射系が動作を自動的に実行しているためです。
谷田メソッドでは、この「無意識的反射運動」を再教育し、意識と無意識の境界をなくすトレーニングを行います。
同じ動作を繰り返し行うことで、脳の小脳などに「動作パターン」が記録され、やがて思考を介さずに正確な動作が再現できるようになります。
これはスポーツにおける瞬時の対応力(反射反応)を高めるだけでなく、日常生活での転倒防止や動作の安定にもつながります。
谷田メソッドの「無意識の開発」は、単なる反復運動ではなく、神経—筋—骨の循環ループを利用したルーティン化による“神経パターンの最適化”を目的としています。
結果として、思考に頼らない自然な動作と反射力を取り戻し、「意識せずに正しく動ける身体」へと導きます。

総括 〜谷田メソッドの真髄〜

谷田メソッドは、

神経と筋の連動性を整える

身体の循環性を回復させる

動作の無意識性を再構築する

ことで、人間本来の身体機能を再起動させるメソッドです。
さらに、誤って学習された代償動作(トリックモーション)を修正し、神経が正しい筋に伝わる「真の動作連鎖」を取り戻します。
単に筋肉を鍛えるのではなく、脳・神経・筋・骨の統合システムを再教育する。
それが、谷田亮太が提唱する「谷田メソッド」の本質です。

PROFILE

谷田亮太Ryota Tanida
■ NESTA-PFT (全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルトレーナー)
■ NASM―PES(全米スポーツ医学アカデミー認定スペシャリスト)
■ NESTA-SPS(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定スポーツパフォーマンススペシャリスト)
■ KCA 国際カイロプラティック連盟認定 国際カイロプラティック師

欧州クラブ所属サッカー日本代表選手をはじめ、各種競技トップアスリートの専属トレーナーとして活動。 選手のパフォーマンス向上から一般的な健康維持トレーニングまで幅広く指導、また、多くの人気パーソナルトレーナーをフィットネスの世界へ輩出し続け、人材育成にも力を入れている。 その経験と運動生理学(Exercise physiology)・機能解剖学(Functional Anatomy)・生体力学(Biomechanics)に基づいた研究により唯一無二のメソッド(谷田メソッド)を開発した。

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